2016年度卒業生の北桂樹さんが作品展をキュレーションします。
会場
空蓮房
https://kurenboh.com/show/?fbclid=IwAR0tbQMRa1k7uoAKE9Qw4KbfKgcb8ZNtm8RHtRt8y84Ut3Z5oLmAmsstZoE
会期
2023年11月8日(水)〜12月8日(金)
* 水・木・金午前10時〜午後3時開廊
* E-Mailでの事前予約制。日時・人数をご予約ください。
(前日、当日の予約はご遠慮ください。またいくつか候補を挙げてくださると助かります。)
* 1時間単位で予約を承ります。空間内へは1人ずつです。(1枠2人くらいまで)
* 土日曜日は法務のない場合のみ予約を承ります。
* 賽銭制
関連イベント
12月9日(土)午後3時〜 クロージングトークイベント
北桂樹と谷口昌良の対談「虚としての写真」
https://kurenboh.com/event/
(以下、展示会HPより)
虚式にて世界をつくろふ
トーマス・ルフ|多和田有希|横田大輔|堤麻乃
写真は、光を不可逆的なプロセスで取り込むことを背景に、物の世界の知覚がもたらす過程を模倣し、現実の世界を二次元化、それを「真実性」とすると盲目的に信じられてきた。写真術のプロセスがアナログからデジタルへ、つまりフィルムに刻まれたニ次元の画像から離散的なピクセルの集合へと変化したとしても、その真実性は継続的に受け継がれてきた。
しかし、ヴィレム・フルッサーは、写真術の登場を言語の発明や印刷術の発明に次ぐ、われわれ人類にとっての重要な分岐点と捉え、世界を計算思考によって抽象化し、理解する文化的発展の第三段階としての抽象とした。写真による世界の抽象化は、計算思考によるゼロ次元の世界である。指し示されているのは外の世界ではなく、外の世界を変化させる概念、つまりゼロ次元(無の世界)である。
アーティストたちの中には、このことに気がつき、自身が扱うものが「虚式」であることを自覚している者もいる。かつて物語や伝説がそうであったように、現代はアルゴリズムやプログラムといった「虚式」によって、現実世界は変化させられ、新たに作り出される。
本展「虚式にて世界をつくろふ」にて提示するアーティストたちは、それぞれに、写真術による「虚式」で新しい世界を構築、もしくは世界に触れている。これらの作品は、写真によって表現されるものが、もはや現実に紐づいた実体のみでなく、写真が、現実や真実を直接的に示すものではなく、無から意味を投企すること、意味を付与しながら無に働きかけるようになっていることを明らかにしている。
今回は北桂樹を招聘しキュレーション・論考に触れてみる展示です。/「無常だから楽しい」という仏教のバージョンアップの為に。
《プロフィール》
北桂樹
現代写真研究者/アーティスト
2017年、京都造形芸術大学通信教育学部・写真コースを卒業。2023年、京都芸術大学大学院・芸術研究科芸術専攻修了、博士(学術)。京都造形芸術大学在学時より制作活動を開始。アナログプロセスからプログラミングによる新たな写真術の開発までを射程に、写真というメディアを「エネルギーの可視化」の表現ツールとしてきた。国内外の展覧会にて作品を提示。写真というメディアのコンテンポラリーアート領域における表現可能性に対する関心から京都芸術大学大学院にて「POST/PHOTOGRAPHY」をテーマに研究。写真の拡張をウイルス的なものとして捉え、「写真変異株」という概念にて論じ、制作を並走させる。