2023年5月13日土曜日

西川善康先生参加の展覧会「三つの視点|北から南へ」「写真家5人|それぞれの視点、それぞれの世界」のご案内(台湾)

写真Ⅴ-6(デジタルフォト2)や写真演習Ⅰ-2(絞りとシャッタ)をご担当いただいている西川善康先生参加の展覧会「三つの視点|北から南へ」「写真家5人|それぞれの視点、それぞれの世界」が台湾のギャラリー2箇所で開催されますのでご案内させていただきます。

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「三つの視点|北から南へ」
https://176.photos/activities/2305-06-ex-kaohsiung-176/



出展作家名:gallery 176 運営メンバー
友長勇介、布垣昌邦、西川善康

会場
On The Road 影像空間
803 高雄市鹽埕區大勇路64號3樓
3F, No. 64, Dayong Road, Yancheng District, Kaohsiung City, 803, Taiwan, ROC

会期
2023年5月20日(土)〜6月18日(日)

休廊日
月曜、火曜

開廊時間
水曜〜土曜 13:30〜21:00、日曜 11:30〜19:00

企画
On The Road 影像空間、gallery 176
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「写真家5人|それぞれの視点、それぞれの世界」
https://176.photos/activities/2305-06-ex-taipei-176/



出展作家名:gallery 176 運営メンバー
友長勇介、松原豊、布垣昌邦、西川善康、早川知芳、友長勇介+西川善康

会場
1839當代藝廊/1839 Contemporary Gallery

10696 台北市大安區延吉街120號地下樓 (請由126巷進入)
B1, No. 120, Yanji Street, Da-an District, Taipei 10696, Taiwan, ROC

会期
2023年5月20日(土)〜6月18日(日)

休廊日
月曜

開廊時間
11:00〜19:00

企画
1839當代藝廊、gallery 176


2023年5月1日月曜日

タカザワケンジ先生 個展開催のお知らせ。「SWM2.0 パレイドリアの罠」IG Photo Gallery(東京)

 「写真批評」「卒業制作」のスクーリングなどをご担当いただいている写真評論家のタカザワケンジ先生の個展「SWM2.0 パレイドリアの罠」がIG Photo Galleryで開催されます。513日にはタカザワ先生によるレクチャー「パレイドリアの罠とその他の話題」がYouTubeにて配信されます。ぜひご覧ください。



 

(以下、ギャラリーWebサイトより)

 写真史にはストリートスナップの名作が数多くあり、それらがある時代と場所を記録する貴重な記録であり、写真家独自の表現であることは周知の事実ですが、現代では一方的に写す(見る)ことが写される(見られる)側を傷つける、不快にさせることが指摘されています。また、インターネットが発達したSNS社会において自分の顔が写った写真が無断で拡散される可能性があり、路上で撮影された他者の顔(肖像)は誰のものか? という問題も生じています。個人の顔はその人自身のアイデンティティと関わる「情報」でもあるからです。

 そこで立てた問いが、写真に写る「顔」はどうすれば個人から離すことができるのか、ということでした。

 「SWM」の制作手順は以下の通りです。都市風景を1秒以下のスローシャッターで撮影します。写真をパソコンに取り込み、画面上で拡大し、写り込んだ人々の顔をスマートフォンで撮影。インスタグラムにアップします。スマートフォンに保存された正方形の写真をプリントしたものが展示作品です。

 スローシャッターで撮影した写真では道行く人の顔はブレ、個人を識別することはできません。前回までの展示では、路上で撮影された「顔」を個人から引き離すことができるのか? 引き離すことができたとして、その「顔」はどのようなものなのか? を実践し、制作プロセスを示すために都市風景の写真を分割して展示しました。

 その後、シリーズを続けていくにつれ、私の中で別の問いが浮かび上がってきました。撮影状況や歩く人のスピードによってブレの度合いはまちまちで、ほとんど顔の形跡を残していない場合もあります。しかし、それでも私たちはその写真が「顔」だとわかります。それはなぜか? と不思議に感じたのです。

 私たちは人間の「顔」に敏感です。写真における顔の存在感は大きく、それが風景写真であっても、多くの人は写真に写り込んだ顔に目が吸い寄せられます。

 反対側から考えてみましょう。私たちは人の顔以外のものを顔だと認識することがあります。岩や雲、木の茂りやコンセント、クルマのフロント部分に顔を見いだします。この現象は認知心理学で「パレイドリア現象」と名付けられています。

 なぜ、私たちの認知に「パレイドリア現象」が起こるのか。

 仮に、人間が生きるために人の顔を認識する能力を発達させているとしましょう。だとすれば、その表情を「読む」ことが生きるために必要だということになります。たしかに、顔から感情の変化を読み取ることは、人間関係を円滑に進めることに役立ちます。

 しかし、私たちの顔への関心は「見る」ことと「見られる」ことの間で分断されます。私たちは他者の顔に強い関心を持ち「見たい」という欲望を持ちますが、同時に一方的に見られることに不快感を感じます。「ストリートスナップ」は、人の顔を見たいという欲望と、他人に見られたくないという忌避感とのせめぎ合う写真でもあるのです。

 「someone's watching me」の続編に「 パレイドリアの罠」というタイトルをつけたのは、人間が「顔」に無意識のうちに向けていることへの興味からです。ブレた顔であっても、私たちはそれを顔だと認識できます。しかし、ブレの度合いが高くなればなるほど、それは人間から離れ「パレイドリア現象」に近づきます。私たちにとって、「顔」と「顔以外」の境界はどこにあるのでしょうか。

 本展示は約380枚の作品を展示します。そのうち1点だけ人の顔以外のブレ写真を混ぜています。その写真をあなたは選ぶことができるでしょうか。

 私たちが顔によせる特別な関心について、撮る・撮られる両方から考えるきっかけにしていただければ幸いです。

 なお、展覧会開催にあたりレクチャーを行います。本作品について、4月に行なう台湾での展示についてのレポートを予定しています。そちらもぜひご視聴ください。

 

タカザワケンジ(写真評論家・IG Photo Galleryディレクター)

https://www.igpg.jp/exhibition/takazawa2023.html

 

 

会場:IG Photo Gallery(東京)

東京都中央区銀座三丁目1317号 辰中ビル3階/東京メトロ日比谷線、都営浅草線 東銀座駅下車

開催期間:59日(火)〜527日(金)

開廊時間:11:0019:00

休廊日:日・月・祝

 

■レクチャー「パレイドリアの罠」(オンライン)

513日(土)18:00

タカザワケンジ(写真評論家、IG Photo Galleryディレクター)

You Tubeにて、配信します。

チャンネル名:IG Photo Gallery