2022年度卒業生のコジマ・アキさんの個展がIG Photo Gallery(東京)で開催されます。ぜひご覧ください。会場のIG Photo Galleryは卒業生の石田省三郎さんが運営されているギャラリーです。
(以下、ギャラリーWebサイトより)
コジマ・アキは今回が初個展となる新人作家です。京都芸術大学通信教育部芸術学部美術科写真コース在学中から本作品の制作に取り組み、卒業制作として発表した作品をもとにしています。
写真に写っているのは一見、何の変哲もないこの国の町の風景ですが、共通して写っているものがあります。
それはバス停と交差点です。「5m」は日本のバス停がある風景を撮影した作品なのです。
しかし、その風景は変化を遂げつつあります。なぜなら、このバス停は移設や廃止などが検討されており、すでに対策済の場所あるもからです。
コジマはこの作品のステートメントで以下のように述べています。
「2021年、国土交通省は1 万か所のバス停を公表しました。
これは、交差点や信号機のない横断歩道から”5m”の範囲に、停車したバスの車体がかかる場所に設置されているバス停の数です。全国のバス停の数は約40万か所といわれているので、1/40ものバス停が該当することになります。
(中略)
では、なぜ横断歩道の近くにバス停を設置することが許されたのか。その土地のバス路線開通にはどんな歴史があるのか。
そんな疑問をきっかけに対象となったバス停をたずねてみました。」
歩行者の安全を守るために、交差点からバス停を離すことに反対する人はいないでしょう。しかし、一律に決めたルールを実行することが、バス停が置かれた地域にとって良いことなのかは検討する余地があるかもしれません。
急激な過疎化と高齢化が進む地方で、バスにはまだまだインフラとしての可能性が残されています。コジマが撮影したバス停のある風景は、地域から地域へと人を運ぶネットワークが健在であることを示してもいます。
バス停から背景に目を転じると、そこには日本列島の自然と生活環境が写っています。戦後の高度経済成長がつくりだした道路と住宅地。「5m」は変わりゆく日本の風景を記録した写真でもあるのです。
なお展覧会場では、撮影地にまつわる土地や道路の歴史などを調査した作家自身による手製本も展示します。
タカザワケンジ(写真評論家・IG Photo Galleryディレクター)
会場:IG Photo Gallery
東京都中央区銀座三丁目13番17号 辰中ビル3階/東京メトロ日比谷線、都営浅草線 東銀座駅下車
開催期間:9月12日(火)〜9月30日(土)
開廊時間:11:00〜18:30
休廊日:日・月・祝
https://www.igpg.jp/exhibition/kojima23.html
■トークセッション(無観客)
9月16日(土)18:00~
コジマ・アキ×タカザワケンジ
You Tubeにて、配信します。
チャンネル名:IG Photo Gallery