2022年12月26日月曜日

西川善康先生 写真展のお知らせ。「こどもかるた remix」gallery 176(大阪)

 写真Ⅳ-1(デジタルフォト1)、写真Ⅴ-6(デジタルフォト2)や写真演習Ⅰ-2(絞りとシャッタ)、写真演習Ⅱ-1(テーマ制作)などをご担当いただいている西川善康先生の写真展がgallery 176で開催されます。西川先生はgallery 176の運営メンバーでもあります。ぜひご覧ください。




(以下、ギャラリーWebサイトより)

豊中市主催 ワークショップ「こどもかるた作り/撮影〜展示までを体験しよう!」(20233月開催/近日中に詳細情報公開予定)の関連展示として開催します。

2017年に開催した写真展「こどもかるた」を再構成、再プリントして展示します。合わせて、ワークショップの詳細、ワークショップの展示サンプル(ワークショップでは最後にgallery 176で展示を行います)もご紹介します。 

*「こどもかるた」は、こどもの写真を使った「かるた」です。写真を「絵札」とし、言葉を考えて「読み札」を作っています。


会場:gallery 176(ギャラリー イナロク)

大阪府豊中市服部元町1-6-1/阪急宝塚線 服部天神駅下車 徒歩1

開催期間:127()129()23()25()

開廊時間:13:0019:00休廊日:月曜日~木曜 ※金土日のみ開催

https://176.photos

 


2022年11月30日水曜日

写真コース主催、特別講義のお知らせ。渡邊耕一「植物と共に夢を見ること」

 202319日(月・祝)18:30から写真家としてご活躍されている渡邊耕一さんをお呼びして、特別講義をZoomにて開催いたします。ぜひご参加ください。


202319日(月・祝) 18:302000

担当教員:渡邊耕一、勝又公仁彦、河田憲政

 

Zoom情報はairU「お知らせ」、airUコミュニティ「【お知らせ】写真コース」にて2週間前を目処に配信いたします。

※事前申込は不要です。

※講義は後日写真コース公式チャンネルよりアーカイブ配信いたします。





渡邊耕一 Watanabe Koichi 



1967年大阪府生まれ。1990年大阪市立大学文学部卒。2000年インター・メディウム・インスティチュート写真コース修了。日本の雑草「イタドリ」が欧米で侵略的外来種となっている現状をまとめた「Moving Plants」でデビュー。植物とその背後にある見えない歴史を追って撮影を続ける。個展:The Third Gallery Aya2015)、Kanzan Gallery2016)、Gallery 7222017)、資生堂ギャラリー(2018)。グループ展:ルーネベークスホルム・デンマーク(2017)。2015年に『Moving Plants』、2022年『毒消草の夢 デトックスプランツ・ヒストリー』(青幻舎)を出版。

 

 

「毒消草の夢 デトックスプランツ・ヒストリー」

 

江戸末期の蘭方医学書にその記載を残す昆答刺越兒發(コンタラエルハ)。毒消草を探し求める人々の希望と欲望が世界を横断する。15世紀から現代に至る500年におよぶ時間とヨーロッパアメリカアジアを結ぶ広大な空間を越える旅の果てに辿り着いた人と植物との真の共生のすがたとは―?

 

昆答刺越兒發(コンタラエルハ)という名前は、スペイン語の「コントライェルバ」に由来する。コントラは「(毒を)無効にする」、イェルバは「草」。つまり「コンタラエルハ」は「毒消草」だったのだ。今は使われないこの薬草の痕跡を辿ると、同じ名前を持つ幾つもの植物が現れては消え、香辛料や薬として世界中で取引される「商品」としての植物の資源化が浮き彫りになる。

 

徹底して植物を追い求めることで、自然と対峙し、共生することを思考する著者による異色の写真集。

 

渡邊耕一は、植物と共に夢見るための方法を教えてくれる。ーアナ・ツィン(人類学者)

 

定価:6,600円(本体6,000円)

言語:日英併記

判型:A4

総頁:160

製本:上製

 

2022年11月8日火曜日

白井晴幸先生の個展「景色の光線」のお知らせ。(東京)

 「写真Ⅰ-1(クリエイティブ)」「写真演習1」などをご担当の白井晴幸先生の個展「景色の光線」が祖師ヶ谷大蔵のGallery Taga2にて開催されます。ぜひご覧ください。





以下、展覧会案内より

白井は東京を拠点に活動し、これまでにユニークな技法やシチュエーションを作り出す独自のアプローチによって、写真の新たな可能性を考察してきました。

今作の「景色の光線」では前作「Panorama」から使用してきた自作の装置で稼働するスリットカメラを大判カメラ用に一新して制作した作品です。風景から身の回りのあらゆるものにレンズを向けて、特異な光景と時間の層を顕します。


また本展は「curator’s vol’3」と題して、新しい表現と向き合うキュレーターとともに展覧会をつくるコンセプトのもと、第3回目の本展では神奈川県立近代美術館に勤務し、近年では「アレックス・ソス」展(2022年)、「みえるもののむこう」展(2019年)等を担当した三本松倫代氏によるキュレーションとなります。会期中には三本松氏と白井の対談も開催いたします。



curator’s vol’3 

白井晴幸「景色の光線」

キュレーション:三本松倫代(神奈川県立近代美術館 主任学芸員)


■会期|2022年11月10日(木) - 12月20日(火)

    13:00 - 19:00(11/19 & 最終日は - 17:00)

    水・日・祝 休み


■対談|白井晴幸×三本松倫代

    2022年11月19日(土)

    17:00 - 18:30


■会場|GALLERY TAGA2

    東京都世田谷区祖師谷1-34-2

    03-6411-5590

    https://gallerytaga2.com/


2022年11月1日火曜日

写真コース主催、特別講義のお知らせ。「岡田将-突き詰めていくということ-」

1128日(月)写真家としてご活躍されている岡田将先生をお招きして、特別講義をオンライン開催(Zoomいたします。作品や活動などについてお話が聞けるまたとない機会です。ぜひご参加ください。 


                      写真集「The Microplastic Book」より

京都芸術大学 通信教育部 写真コース 主催

日時:1128日(月) 18:302000

担当教員:岡田将、勝又公仁彦、河田憲政


Zoom情報はairU「お知らせ」、airUコミュニティ「【お知らせ】写真コース」にて2週間前を目処に配信いたします。

※事前申込は不要です。

※講義は後日写真コース公式チャンネルよりアーカイブ配信いたします。





岡田 将(Susumu Okada



2022 東京在住
2005 日本写真芸術専門学校 卒業
1984 東京都生まれ

 

【個展】
2022 Microplastics」(ふげん社)
2019 Neo Atlas」(GalleryYukihira

【グループ展】
2019 showcase #8 “共振体 – Resonators” eN arts
2018 Canon 写真新世紀 2018 年度(東京都写真美術館)



【受賞歴】
2018 Canon 写真新世紀 2018 年度 優秀賞受賞










2022年10月26日水曜日

写真コース主催 特別講義  金サジ先生 開催のお知らせ。

来たる113日(木/祝)、写真家としてご活躍されている金サジ先生をお招きして、特別講義をオンライン開催(Zoom)します。ぜひご参加ください


京都芸術大学 通信教育部 写真コース 主催


日時:113日(木/祝)18:302000

担当教員:金サジ、勝又公仁彦、河田憲政

 

Zoom情報はairU「お知らせ」、airUコミュニティ「【お知らせ】写真コース」に掲載いたします。

※事前申込は不要です。

※講義は後日、写真コース公式チャンネルよりアーカイブ配信いたします。

 

金サジ|Sajik Kim

 自身のコリアンディアスポラの身体的、精神的アイデンティティの「揺らぎ」をきっかけとして活動をはじめる。創作物語を演出写真の技法を用いて作品を制作。写真家として活動しながら、活動の一環として、韓国舞踊家、金一志の下に師事。韓国伝統芸能を学びながら、ディアスポラに代々継承されていく歴史・民族精神のトラウマから生まれる新たな可能性を探っている。

 

ホームページ http://kimsajik.com


また、京都のギャラリー「PURPLE」にて個展“「物語」シリーズより 山に歩む舟”

1027日より開催されます。こちらもぜひご覧ください。



会場:PURPLE

京都府京都市中京区式阿弥町122−1 式阿弥町ビル3階 

 

会期: 20221027[]1114[]

時間: 13:00-20:00[月・火・水・木・金] 11:00-19:00[土・日]※最終日は15:00まで

入場料: 500

協力株式会社 赤々舎、一般社団法人HAPS


https://purple-purple.com/exhibition/sajik-kim-2022/






2022年10月22日土曜日

𠮷田幸浩 写真展「a particular thirty-six-views」のお知らせ。ギャラリーTAJIRO祇園京都

 2020年度卒業生の𠮷田幸浩さんの写真展「a particular thirty-six-views」がギャラリーTAJIRO祇園京都で開催されます。ぜひご覧ください。


会場:ギャラリーTAJIRO祇園京都

京都府京都市東山区弁財天町14 エクセタコート 102


京阪祇園四条駅(9番出口)徒歩1分

京阪三条駅 徒歩5

京都市営地下鉄京阪三条駅 徒歩7分

阪急河原町駅 徒歩5分


開催期間:126()11(  

開廊時間:11:00-18:00(最終日は17:00まで)

 

https://tajiro.jp/gallery/artists/yoshidayukihiro.html

2022年10月13日木曜日

京都芸術大学ホームカミングデー2022のご案内

京都芸術大学ホームカミングデー20221029(土)に開催されます。

好評だった昨年に続き、今年もオンライン開催(事前予約制)です。メインプログラムは1029日、写真コースのホームカミング・パーティー(学科・コース懇親会)も同日の19:3020:30Zoomにて開催されます。卒業生はもちろん、在学生の参加も大歓迎です。みなさまの参加をお待ちしております。

 

参加申し込みは以下よりお願いいたします。

http://www.uridou.jp/hcd/2022/






2022年9月22日木曜日

藝術学舎講座のご案内「自然との対峙!風景の知覚実践・風景写真 -乗鞍を撮る-」

スクーリング内ではなかなか体験できない、風景写真についての考え方や撮影スキルを身につけるための内容の講座となっております。講師は卒業制作のスクーリングもご担当いただいている田中仁先生です。申込締切日が近づいてまいりましたので、改めてご案内させていただきました。自然豊かな乗鞍地区での撮影に興味のある方はぜひご検討ください。

                                  乗鞍山頂畳平の情景

講座概要

日本における自然観と風景写真の成り立ち


本講座では、自然を対象とした風景写真の理解と実践を行います。

乗鞍地区の撮影を通じて風景写真に対する理解を深め、撮影実習と講評を行います。


この講座についての詳細は以下のURLをご確認ください。

https://air-u.kyoto-art.ac.jp/gakusha/learning/G2235478



2022年9月1日木曜日

田中仁先生、展覧会のお知らせ「植田正治を変奏するRESEARCH / TRIBUTE 」東川町文化ギャラリー(北海道)

 卒業制作や「写真3(ライティング基礎)」のスクーリングをご担当いただいている田中 仁先生の展覧会「植田正治を変奏する RESEARCH / TRIBUTE 」が東川町文化ギャラリーにて開催されます。昨年に東京で開催された展覧会の巡回展となりますが、作品数を大幅に増やし、最初期のリバーサルフィルム作品も紹介したものとなっております。トークイベントやワークショックも開催されます。


(以下、ギャラリーのwebサイトより)

1913年に鳥取県に生まれ、砂丘を舞台とした家族写真やセルフ・ポートレイト、山陰の風土とそこに生きる人々を撮影した作品などで広く知られる、日本を代表する写真家・植田正治。

そして元東京工芸大学写真学科教授 田中仁氏は20年を越えて植田正治の研究を続けており、これまで数えきれないほど植田正治の生家や撮影地に足を運んできた人物です。田中氏は昨年、誰もが知る代表作からこれまでほとんど目に触れられることがなかった作品まで、植田正治が残したガラス乾板やモノクロネガフィルムからプリントを行うプロジェクトを担当しました。

 

本展では田中氏がプリントした植田作品と本人による貴重なヴィンテージプリントを比較するほか、生家に残された数々の品物や、ゆかりの地を撮影した作品なども展示。2021年に開催された東京工芸大学 写大ギャラリーでの展覧会の巡回展となりますが、大幅に作品点数を増やし、最初期のリバーサルフィルム作品もご紹介します。

北海道の地では過去最多となる作品展。田中仁氏の「RESEARCH」と「TRIBUTE」の観点から紐解かれる植田正治の世界をどうぞご堪能ください。

 

 

会場:東川町文化ギャラリー

北海道上川郡東川町東町1丁目198

開催期間:2022913()1016()

開館時間:10:0017:00 会期中無休

入館料:500(中学生以下無料)

https://higashikawa-town.jp/bunkagallery/topics/42

 

【トークイベント】

植田 亨×田中 仁「トッチン、パパを語る ~息子から見た植田正治~」

植田正治ご子息・亨氏と田中仁氏を招き、家族だからこそ知りえるエピソードと本展覧会に至るまでの20年を超える研究についてお話いただきます。

日 時:924()14:0015:30

会 場:東川町文化ギャラリー

参加費:500(中学生以下無料、入館料を含みます)

<お申込み>

参加ご希望の方はお申込みフォームにご記入のうえご送信ください。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeYvkb7MgbfZT1NUV-rgnxhkmkHMzf0oO33xWWrAZeVfhpLrQ/viewform

※参加者多数の場合は抽選を行わせていただきます。

受付期間:914日(水)まで

抽選結果:916日(金)正午

 

 

【ワークショップイベント】

「植田正治の演出写真を体験しよう! 大型カメラワークショップ」

東川町内の羽衣公園を砂丘に見立てて、4×5インチ大型フィルムカメラで撮影します。撮影後は暗室で現像し写真を制作します。

※撮影にはポジティブペーパーを使用。

日 時:925()13:001600

集 合:東川町文化ギャラリー(撮影地:羽衣公園)

    雨天時は屋内での撮影になりますのでご了承ください。

参加費:1000

定 員:15

<お申込み>

参加ご希望の方はお申込みフォームにご記入のうえご送信ください。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScZ3kAt2nSgBcTH3kGwFWyq1CtjsjKcXJN631XzbQpCaojIow/viewform

※参加者多数の場合は抽選を行わせていただきます。

受付期間:914日(水)まで

抽選結果:916日(金)正午


2022年8月30日火曜日

鈴鹿芳康先生のプロデュースによる展覧会『世界平和の祈り~古代から現代そして未来へ~鈴鹿芳康×今治のご縁の仲間たち』のお知らせ。(愛媛)

 本学名誉教授の鈴鹿芳康先生プロデュースによる展覧会が今治市朝倉ふるさと美術古墳館開催されています。ぜひご覧ください。




(以下、展覧会webサイトより)

世界平和、祈り、再生、共生をテーマに、今治市の埋蔵文化財発掘地の残土(古代の土)を使い、写真、陶芸、絵画、インスタレーションを展示します。さらに、その土を使い、鴨部小学校低学年の陶芸、高学年による絵画も展示します。


 

会場:今治市朝倉ふるさと美術古墳館

愛媛県今治市朝倉下甲898

開催期間:816()1023()

開館時間:9:0017:00

休館日:月曜日(月曜祝日の場合火曜日が休館)

https://www.city.imabari.ehime.jp/museum/asakura/event/event.html?p=1380


2022年8月24日水曜日

赤尾富美個展「瞑想幻想曲×変奏即興曲」のお知らせ。Nadar(東京)

 2020年度卒業生の赤尾ふみ子さんの展覧会がNadar(ナダール)で開催されます。ぜひご覧ください。


(以下、ギャラリーWebサイトより)

私は木々の花を撮っているが、「それら」の向こう側を撮っているのだと思う。

その向こう側にあるものはこの先も変わらず、それを追うのも変わらないだろう。

私は写真や絵画から音が聞こえる。心が疲れた方、是非この音を聞いて欲しい。

 

写真に直接水彩絵具などで着色したものとドロッピングしたイメージ画等を幾層も重ねて制作したフォトモンタージュ作品となる。『本物の花にはなくかつ美しいと思えるもの』を目標に制作している。またこれらの作品は布と相性が良く日常にアートを取り入れて貰えたらとの思いもある。

 

会場:Nadar(ナダール)

東京都港区南青山3-8-5 M385 BLDG #12

開催期間: 921()925(  

開廊時間:12:00-19:00(最終日は16:00まで)

https://g-nadar.net/gallery/220921

2022年8月23日火曜日

2021年度卒業生のクガハルミさん 写真展のお知らせ。「玉響―tamayura―」IG Photo Gallery(東京)

2021年度卒業生のクガハルミさんの写真展「玉響―tamayura―」がIG Photo Galleryにて開催されます。ぜひご覧ください。 


(以下、ギャラリーWebサイトより)

クガハルミは今回が初個展となる新人作家です。20223月に京都芸術大学通信教育部芸術学部美術科写真コースを卒業し、卒業制作から発展したのが今回展示する作品です。

クガは小型デジタルカメラを使い、都市を撮影し、黒と白のイメージをつくりだしています。

都市を歩き、目にとまったものを直感的に、瞬時に撮影する──スナップと呼ばれるこの手法の原点は、19世紀末のハンドカメラの発売に求められます。そして1930年代にライカが普及して以降は、多くの人にとって写真を撮ることそのものが瞬時に撮影することを示すようになりました。それほど身近であり、数多くの写真が撮影されてきたスナップについて、クガはこのように疑問を投げかけます

「『瞬間を記録する』と言います。/この「瞬間」とは、撮影者が体験した「瞬間」のことですが、それは正確な「記録」になるのでしょうか?/つまり、記録された「瞬間」は、撮影者が感じた「瞬間」と同じなのでしょうか?」(ステートメントより)

スナップは直感的な撮影方法であり、考える前に撮ることです。しかし撮影者の体験した瞬間と、写真に記録された1秒にもはるかに満たない時間の視覚イメージはイコールで結ばれるのでしょうか。

クガのこの疑問は時間をジョン・シャーカフスキーが「Photographer's Eye」展(1964年、ニューヨーク近代美術館)で写真の特性の一つとして挙げた「時間(TIME)」を連想させます。しかしクガは「Photographer's Eye」展に収められた作品群とは真逆のかたちでこの問題に向き合います。シャーカフスキーのように動くもの、移ろうものを撮った写真を選ぶのではなく、むしろ人間の目からは不動に見える建築物の一部や、都市の片隅にカメラを向けているのです。

私たちは二つの目で世界を見て、フレームを意識することなく対象を把握し、その周囲との関係を自然に理解しています。しかし、そのような認識は人間という生き物が不断の視覚的更新を行っているがゆえのことであり、私たちの眼球は絶え間なく動いています。写真はその更新をストップさせ、定着させる「非人間的」な視覚メディアだという側面があることをあらためて考えずにはいられません。

「玉響(たまゆら)」とは「しばしの時」を意味する日本の古語。いにしえより時の流れの長短を感覚的にとらえていた人々がつくりだした言葉です。写真が誕生するはるか昔から人間は瞬間を意識し、その短い時間に何かを感じていたのでしょう。クガがこのタイトルを選んだのは、写真発明後の世界に生きる私たちが、発明以前の「瞬間」に思いをはせることなのかもしれません。

私たちは世界をどう認識し、時間をどのようにとらえているのか。そして瞬間という概念と密接につながる写真にどのような特性があるのか。クガの作品はこうした認識への原理的な問いかけがあるのです。

 

タカザワケンジ(写真評論家・IG Photo Galleryディレクター)

 

会場:IG Photo Gallery

東京都中央区銀座三丁目1317号 辰中ビル3階/東京メトロ日比谷線、都営浅草線 東銀座駅下車

開催期間:96()924()

開廊時間:11:0019:00(910日は17:30まで、最終日は18:00まで)

休廊日:日曜日・月曜日・祝日

 

https://www.igpg.jp/exhibition/kugaharumi.html


■トークセッション(オンライン)

9月10日(土)18:00〜

クガハルミ×タカザワケンジ(写真評論家、IG Photo Galleryディレクター)

YouTubeにて、配信いたします。

チャンネル名:IG Photo Gallery

友長勇介・西川善康写真展「input x output」のお知らせ gallery 176(大阪)

 写真Ⅴ-6(デジタルフォト2)や写真演習Ⅰ-2(絞りとシャッター)、写真演習Ⅱ-1(テーマ制作)などをご担当いただいている西川善康先生の展覧会がgallery 176で開催されています。ぜひご覧ください。


(以下、ギャラリーWebサイトより)

 友長は、通常、モノクロフィルムで撮影し、暗室でプリント作業を行って作品を仕上げています。これに対し、西川は、デジタルカメラで撮影し、パソコンでRAW現像を行い、インクジェットプリンターでカラー作品を制作しています。

 今回、この二人が撮影方法(input=入力)を入れ替え(eXchange=交換)、お互いが撮影したフィルム、データから、自分の解釈で作品を選び、自分なりの制作方法で作品を仕上げる(output=出力)試みを行います。友長がデジタルカメラで撮影したデータを西川が受け取り、インクジェットプリンターで作品を仕上げ、西川がフィルムカメラで撮影したモノクロフィルムを友長が受け取り、モノクロプリントとして作品を仕上げます。

 果たして、出来上がった作品は、撮影者の意図したものに仕上がるのでしょうか。それとも、全く異なる作品として仕上がるのでしょうか。

 

会場:gallery 176(ギャラリー イナロク)

大阪府豊中市服部元町1-6-1/阪急宝塚線 服部天神駅下車 徒歩1

開催期間:819()830()99()920()

開廊時間:13:0019:00

休廊日:824()825()914()915()

https://176.photos/exhibitions/220819/


2022年7月20日水曜日

2016年度卒業生の石田省三郎さん 写真展のお知らせ。「Nights,Walking:Chigasaki」ギャラリー・アートグラフ(東京)

2016年度卒業生の石田省三郎さんの写真展がギャラリー・アートグラフで開催されています。ぜひご覧ください。

本年4月にIG Photo Galleryで行った展示の巡回展となります。





(以下、ギャラリーWebサイトより)

 

 石田省三郎は2018年に写真集『Radiation Buscape』を発表し、写真作家としての活動を開始しました。以来、自らが主宰するIG Photo Galleryを中心に、コンスタントに作品を発表しています。

 石田の作品には最初の作品である『Radiation Buscape』から一貫して、人間の暮らしを支えるインフラストラクチャーへの関心があります。Radiation Buscape』は東日本大震災によって帰宅困難区域となった地域を走るバスの車窓から、風景を撮影した作品です。原子力発電所の事故による深刻な影響は、人の住む場所を奪いました。しかしその一方で、社会活動を続けるためにバスは走り続ける。窓外の風景も時が止まったわけではなく、植物が成長し、建物は朽ちていく。私たちの社会のもろさと、それでもなお動き続ける世界のあり方を見つめた作品だと言えるでしょう。

 原発が抱える電力と人間というテーマは、2019年に発表されたCrossing Ray」にも引き継がれます。夜の都市の交差点を比較暗合成したこの作品は、繁栄の象徴とも言える都市の光を剥ぎ取り、都市の骨格を浮かび上がらせました。2021年の「Integral」では再び都市と電力の関係を主題とし、ピンホールカメラで氾濫する都市の光を抽象的に表現しました。

 今回展示する「Nights,Walking:Chigasaki」は都市中心部を離れ、神奈川県の湘南・茅ヶ崎の夜を撮影したシリーズです。住宅の窓からもれる生活の明かりと路上を照らす街灯によって露光された風景は、私たちが見慣れた普遍的な光景です。

 石田はこのシリーズついて「電気の明かりがつくり出す風景をテーマにした作品群の一つ」と位置づけています。都市部を照らす光の多くは商業的な目的のために消費されていますが、住宅地の光は1人ひとりの生活により密着したものだと言えます。石田の視点は都市から郊外へ移動することで、私たちの生活の中で電力が持つ意味をあらためて問いかけていると言えるでしょう。

 また、「Nights,Walking:Chigasaki」は別の角度から「読む」ことができます。夜の闇によって情報が間引きされた写真は、建築物や街の造成といったフォルムを強調します。画面から読み取れるのは、この国が戦後、アメリカの郊外文化から受けてきた影響です。

 石田はこの作品をつくるにあたり、アメリカの写真家、ロバート・アダムスの『Summer Nights, Walking』を参照しています。アメリカ写真の伝統を担う巨匠の作品を下敷きにすることで、アメリカの住宅文化を採り入れ「日本化」した風景をアイロニカルに表現したと言えるでしょう。

 「写真の伝統」という観点で言ええば、今回、石田は中判フィルムカメラを使い、バライタ銀塩プリントによる展示を行います。石田はデビュー作以来、デジタルカメラを使ってきました。前作の「Integral」では中判ピンホールカメラで撮影していますが、フィルムをスキャニングしデジタルプリントとして仕上げるというハイブリッドでした。今回はインプットからアウトプットまですべてを銀塩写真の技法で行っています。「Nights,Walking:Chigasaki」には写真の歴史を引き継ぎつつ、現代の日本を照らし出すという作者に意図が込められているのです。

 

タカザワケンジ(写真評論家・IG Photo Galleryディレクター)

 

http://blog.livedoor.jp/shashinkosha/archives/55839555.html

 

 

会場:ギャラリー・アートグラフ

東京都千代田区東松下町17 写真弘社 神田店モノクロ館内2FJR神田駅下車 徒歩5

開催期間:77()89()

開廊時間:10:0017:00

休廊日:日曜日、祝日、隔週土曜日

716日、717日、718日、724日、730日、731日、86日、87日)