「写真Ⅲ-4 (スナップ)」「写真演習Ⅰ-1(写真日記)」などをご担当いただいている石倉麻夕先生の個展「よりみち」がIG Photo Galleryで開催されます。3月16日にはタカザワ先生とのトークセッションがYouTubeにて配信されます。ぜひご覧ください。IG Photo Galleryは卒業生の石田省三郎さん主宰のギャラリーです。
(以下、ギャラリーWebサイトより)
IG Photo Galleryでは2024年3月12日(火)より石倉麻夕展「よりみち」を開催いたします。
石倉はモノクロのファインプリント作品を制作してきた作家です。「よりみち」もまた黒と白で東京のとある場所にある「大衆酒場」を撮影した作品です。
日本における大衆酒場は、飲酒文化の中心であり、時には見知らぬ者同士が出会い、酒を酌み交わすうちに肝胆相照らすコミュニティの場となってきました。
石倉もまた、そうした酒場の一つに長年通っており、常連客とのつきあいを積み重ねてきました。
写真を撮影するきっかけになったのは、常連客の一人が亡くなり、この場所を写真に留めておきたいと思ったことだと言います。石倉自身の言葉を引いておきましょう。
「写真を撮ることで死者(歴代の常連や友人も)を忘れないようにしたいと撮り始めました。それは出会った人たちを写真によって想起しようとすることでもありました。写真でいなくなった人の空白を埋めることはできませんが、空白ができたことを認識し日常に組み込むことができるのではないか──そう考えたことが今回の作品の軸になりました」
石倉はこれまでの作品でも、自身が身を置いた時間を写真に封じ込めるようにして作品を制作してきました。「よりみち」ではお酒を飲みながら撮影していたこともあり、撮影した記憶がない写真を発見することもあったと言います。記憶がないからこそ写真から自分だけのストーリーをつくることができるのだと。
記憶を留めたいという気持ちと、記憶が失われたところから始まる物語。一見、矛盾するように思えるこの二つが、写真によってジョイントしたことで、石倉の「よりみち」が生まれたと言えるのかもしれません。
石倉はこの作品を撮影するにあたり、デジタルカメラに通常のレンズをつけた撮影とピンホール撮影の両方を試みています。居酒屋という馴染み深い場所をどのように「異化」するかという試行錯誤の結果、見る者それぞれの心の中にある居酒屋のイメージを呼び起こす作品になっています。
なお、展示開催にあたって、トークセッション(オンライン配信)を予定しています。展示と合わせてぜひご試聴ください。
タカザワケンジ(写真評論家・IG Photo Galleryディレクター)
https://www.igpg.jp/exhibition/ishikura.html
会場:IG Photo Gallery(東京)
東京都中央区銀座三丁目13番17号 辰中ビル3階/東京メトロ日比谷線、都営浅草線 東銀座駅下車
開催期間:3月12日(火)〜4月6日(土)
開廊時間:11:00〜18:30
休廊日:日・月・祝
■トークセッション(オンライン配信)
3/16(土)18:00より配信予定
石倉麻夕×タカザワケンジ(写真評論家・IG Photo Galleryディレクター)
You Tubeにて、配信します。
チャンネル名:IG Photo Gallery