2019年度卒業生の森下聖子さんによる「Tomomi Ochi & Shoko Morishita 二人展」がJam Photo Galleryで開催されます。ぜひご覧ください。
森下聖子『 ここから 』
越智友美『 あの旅は何だったのか。』
(以下、ギャラリーWebサイトより)
「あの旅は何だったのか。」
インターネットがあれば買い物も仕事もできる、とても便利な世の中だから、独りで引きこもっていても生きていけると思っていました。ところがコロナ渦で街が静まり返ると、何らかの不安な気持ちが私の中にも広がっていくのを感じ ました。自分の暮らしは何一つ変わらないはずなのに。多くの人が大切な人とのふれあいや温もりを絶たれて暮らしているというニュースを目にする度 に、人々の孤独と私の孤独が重なり合い、まるで自分の中にある寂しさが語られているかのような気持ちに陥ったのだと思います。「誰かに逢いたい」「くだらない話をして、一緒に笑い合いたい」今まで気づかないふりで封印してきた自分自身の寂しさについてやっと向き合い、きちんと考える覚悟ができました。窓の外が以前の景色に戻りつつある今、私も固く閉じていた扉を開けて、外に出てみます。写真を通して、新しい出逢い、新しい居場所、新しい自分を自由に探してみます。
越智友美 おちともみ
オリンパスのTRIP35を組み立てるワークショップに参加したことをきっかけに、フィルムカメラと出会う。当初はカラーフィルムで撮影していたが、近年はモノクロフィルムで撮影し、暗室で手焼きすることが楽しみ。
「ここから」
2020年春、コロナ流行がはじまる時期に私は通信制大学の写真コースを卒業。1年間かけて必死に取り組んだ卒業制作の展示も卒業式も中止になり、喪失感や虚無感と不安が入り混じった感情に包まれていた。古いネガの束を、タンスの中から見つけた。卒業後、次の制作意欲が生まれないなか、このネガをプリントしたいという気持ちは強く湧き起こる。半世紀以上も前の家族の映像が、思った以上に鮮明な浮き上がってくる驚きと感動から、気づくと約3年間暗室に通っていた。懐かしい記憶が蘇るとともに、晩年は頑固で面倒くさい印象だけが残っていた父の視線の優しさに気づく。父母ともに他界して10年ほど経って、改めて二人の人生を思い返すきっかけとなった。
森下聖子 もりしたしょうこ
京都造形芸術大学通信美術科写真コース卒業 育緒暗室ゼミ受講
2020年8月 グループ展「quartette」IG Photo Gallery において「時の重なり」を発表
時間が経つことによって醸し出される、記憶や気配をとらえた作品制作を目指している。
2013年に写真集「VIEW OSAKA THE DOME」を出版した。
2023年、出版10周年を機に10年前の写真と同じ場所から10年後を撮影し、10年前と10年後の写真を並べ「あれから10年」と題した写真展を開催します。
大阪市内の下町界隈等からドームを眺めた写真に、大阪浪花10年の「街景の移ろい」を楽しんでもらえたら嬉しく思います。
会場:Jam Photo Gallery
〒153-0063 東京都目黒区目黒2-8-7鈴木ビル2階B号室
開催期間:2023年4月11日(火) ~ 2022年4月16日(日)
開廊時間:12:00-19:00(日曜17:00迄)
https://www.jamphotogallery.com/exhibitions