2017年10月14日土曜日

橋口譲二先生 写真展のお知らせ 写大ギャラリー

ワークショップゼミナールをご担当頂いている橋口譲二先生のコレクション展が、2017年11月6日(月)より東京工芸大学の写大ギャラリーで開催されます。
初日の11月6日18時よりレセプションが、そして11月11日の16時30分からは卒業制作をご担当されている写真批評家の小林美香さんとのトークイベントもございますので、こちらも併せて是非足をお運びください。


展覧会概要

 橋口譲二(はしぐち じょうじ, 1949年生まれ)は鹿児島に生まれ、地元の大学を中退後、上京して写真家となりました。主に人物撮影を主体としており、1981年に新宿歌舞伎町や原宿にたむろする若者を撮影した「視線」で第18回太陽賞を受賞します。
 橋口譲二の仕事には大きく分けて二つの世界があります。写真集『BERLIN』や『Hof – ベルリンの記憶』、『動物園』などに代表される、異なる宗教や政治体制の都市の人々の暮らしを表現した作品と、今回展示する、日本の様々な場所で生きる市井の人々を撮った日本人シリーズです。
 1987年3月橋口譲二は、日本人をテーマとした撮影をスタートさせます。日本全国の17歳を撮影した「十七歳の地図」で、正面から人物を捉え、定型質問のインタビューを重ねるスタイルを構築します。この作品形式によって、驚く程の個の多様性を浮かび上がらせることに成功しました。
 その後も日本全国で、父親を捉えた「Father」、様々な2人を捉えた「Couple」、職業別にベテランと新人を対比で捉えた「職1991〜1995WORK」、明治、大正生まれの人を捉えた「夢」など、“日本人シリーズ”を発表していきます。人物を正面から背景とともに捉える撮影スタイルは、“日本人シリーズ”以降、国内外の写真家たちに継承されていきます。橋口譲二の写真には、写された人物が予測しなかったリアリティーが抽出され、見る者に圧倒的なイマジネーションを抱かせると同時に普遍的な多様性を伝えています。

 本展では橋口譲二の代表作とも言える「十七歳の地図」「Father」「Couple」「職1991〜1995WORK」「夢」から代表作を選び展示します。日本人と日本を捉えた5テーマを、並列に展示する初めての試みです。
 経済成長を続け、やがてバブル経済に突入する1980年代後半から、絶頂期を越え急速に崩壊する経済に翻弄された日本人と、その背後に写し出された日本を2017年の現代が改めて見ることは、写真の持つリアリティーと記録性を再認識させるものとなります。
 この機会にぜひご覧いただけたらと存じます。

基本情報


会期2017年11月6日(月) ~ 2017年12月20日(水)
10:00 ~ 20:00 会期中無休・入場無料
会場東京工芸大学 写大ギャラリー
〒164-8678 東京都中野区本町2-4-7 芸術情報館2F
TEL 03-3372-1321 (代)
地下鉄丸ノ内線/大江戸線 中野坂上駅下車 1番出口・徒歩7分 
展示作品モノクロ写真作品 約60点
主催東京工芸大学芸術学部
http://www.shadai.t-kougei.ac.jp/next.html