2020年9月6日日曜日

2019年度卒業生、グループ展開催のお知らせ。「KUAD Photography 2019 graduates 写真展「KUGIRI」」gallery 176(大阪)

8月10日より予定されていた2019年度卒業制作展が、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況を鑑み、再度延期となりました。通信教育部での学びの集大成となる卒業制作展が開催できない状況は、2019年度の卒業生の皆さんのお気持ちを考えても、非常に残念でなりませんでした。
そんな中、大阪にあるgallery 176さんのご好意により、2019年度卒業生の狩野明茂さん、カルオマチコさん、児島貞仁さん、児玉大輔さん、下良隆彦さん、高林直澄さんの6名による展覧会が9月12日(土)よりgallery 176にて開催されます。
ぜひご覧ください。

KUAD Photography 2019 graduates 写真展「KUGIRI」


会期:2020年9月12日(土)〜9月22日(火) *通常とは会期初日の曜日が異なります
休廊日:9月14日(月)〜17日(木) *通常とは休廊日が異なります
時間:13:00〜19:00(初日 9月12日(土) は15:00〜/最終日 9月22日(火) は17:00まで)
会場:gallery 176(ギャラリー イナロク)
大阪府豊中市服部元町1-6-1
出展作家:狩野明茂、カルオマチコ、児島貞仁、児玉大輔、下良隆彦、高林直澄
企画:gallery 176 西川善康、友長勇介
https://176.photos/exhibitions/200912/?fbclid=IwAR2qCK2apKjXFzVKbb45tbDFK4j75TsU56YrNaMVSazyy4bqZTc96DpjWMw

gallery 176の感染防止対策に関して:
*ご来廊の際は、「gallery 176の感染防止対策に関して」をご一読ください。

展覧会概要(以下gallery 176 WEBサイトより転載)

 この展覧会は京都芸術大学(当時京都造形芸術大学)通信写真コース2019年度卒業生50名ほどの中から集まった有志6名による展覧会です。

 COVID-19の感染リスクにより、卒業制作展ができなくなっている写真コースの卒業生たちに対して、仕方がない事態とはいえ、教員として申し訳ない気持ちでいっぱいになっていました。卒業制作の過程で、展示や額装などの具体的なプランの提出を課題とし、実際に発注し終わって展示を待つだけだった学生も多々いたためでもあります。そのような中、東京ではIG Photo Galleryが、そして大阪ではgallery 176からお声がけいただき、それぞれに展覧会の場をもつことができました。本当にありがたいことと感謝し申し上げます。

 彼らが最初の代表作として、また小さな作家としての第一歩を刻む、重要な展覧会でもあります。人生の途上にして様々な経験や背景をもった中で写真に取り組み始めた彼らには、写真を学ぶべき、また写真で作品をなすべき理由と衝動があったはずです。そののっぴきならない念慮や思考の過程から、彼ら自身でなければならないものを引き出せればと、助言する側も苦闘を続けてきました。彼らが彼ら自身の鉱脈を探り当てたかどうか、それはまだわからないかもしれません。ただ、それを探し続ける気概と忍耐力と問題意識だけは持ち続けてくれたものと思っていますし、そのことは何よりもそれぞれの作品に現れているものと信じます。彼らの始まりの目撃者となっていただけますよう。私も楽しみにしています。

勝又公仁彦(美術家/写真家・京都芸術大学准教授)



 2月末からの新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、多くの学校で卒業式や入学式が中止となりました。京都造形芸術大学(現:京都芸術大学)通信教育部芸術学部美術科写真コースでも、卒業制作展と卒業式が一旦8月に延期になり、その後、8月の卒業式はオンラインでの開催に変更、卒業制作展は開催中止となってしまいました(今後開催するかどうかは未定)。2019年度の卒業生は、準備していた卒業制作が発表できないまま半年が過ぎ、「卒業」という区切りをつけられず、次のステップに進めず立ち止まっている方も多いと聞きます。

 gallery 176でも、9月に予定していたドイツの写真家の展示が、新型コロナウイルス感染症の影響で延期となってしまい、9月前半の展示予定が無くなってしまいました。コロナ禍で空いてしまった展示空間は、同じくコロナ禍で展示場所を失ってしまった方に使ってもらおうと考え、京都造形芸術大学の卒業生にギャラリーを使っていただくことにしました。京都造形芸術大学(現:京都芸術大学)通信教育部芸術学部美術科写真コースは、私(西川)が2019年度から添削の一部をお手伝いしており、勝又公仁彦先生や2016年度卒業生の榎本八千代さんにも展示していただいた関係もあり、声を掛けた次第です。

 2019年度の卒業生の6人には、今回の展示で一旦作品制作に「区切り」をつけ、次にステップに進んで行って欲しいと思います。

西川善康(gallery 176 )



 令和初、そして京都造形芸術大学最後の卒業となった2019(令和元)年度卒業生である私たち。コロナ禍の中延期となった卒業式と卒業制作展。8月、再び感染者の増える中で卒業式はオンライン開催、そして卒業制作展は”8月の開催は”中止となってしまいました。延期が決まってからの約半年、時期をずらしても卒業式や展示ができる喜びと、8月本当に開催できるのかという不安の入り交じった時期を過ごした上での現状に、なかなか気持ちのけじめがつかない、やり場の無いもやもやの中で、あるはずだった区切りを付ける事が実はとても大切な意味を持つのではないかと考えました。

 幸いにしてgallery 176さんより、卒業生有志による写真展開催を提案していただき、この度6人による卒業制作を基にした写真展を開催することとなりました。展覧会のタイトルを考えるにあたり、卒業というタイミングについて考えました。卒業とはゴールであったりスタートであったり、人によってその意味や強さは様々です。そこで時間や所在を純粋に区切るということで、展覧会のタイトルを“KUGIRI”と名付けました。そして今、その区切りを付ける時がやってきました。

 こんな、私たちのKUGIRIに、しばしお付き合い下さい。

高林直澄(「KUGIRI」出展者幹事)