2022年7月20日水曜日

2016年度卒業生の石田省三郎さん 写真展のお知らせ。「Nights,Walking:Chigasaki」ギャラリー・アートグラフ(東京)

2016年度卒業生の石田省三郎さんの写真展がギャラリー・アートグラフで開催されています。ぜひご覧ください。

本年4月にIG Photo Galleryで行った展示の巡回展となります。





(以下、ギャラリーWebサイトより)

 

 石田省三郎は2018年に写真集『Radiation Buscape』を発表し、写真作家としての活動を開始しました。以来、自らが主宰するIG Photo Galleryを中心に、コンスタントに作品を発表しています。

 石田の作品には最初の作品である『Radiation Buscape』から一貫して、人間の暮らしを支えるインフラストラクチャーへの関心があります。Radiation Buscape』は東日本大震災によって帰宅困難区域となった地域を走るバスの車窓から、風景を撮影した作品です。原子力発電所の事故による深刻な影響は、人の住む場所を奪いました。しかしその一方で、社会活動を続けるためにバスは走り続ける。窓外の風景も時が止まったわけではなく、植物が成長し、建物は朽ちていく。私たちの社会のもろさと、それでもなお動き続ける世界のあり方を見つめた作品だと言えるでしょう。

 原発が抱える電力と人間というテーマは、2019年に発表されたCrossing Ray」にも引き継がれます。夜の都市の交差点を比較暗合成したこの作品は、繁栄の象徴とも言える都市の光を剥ぎ取り、都市の骨格を浮かび上がらせました。2021年の「Integral」では再び都市と電力の関係を主題とし、ピンホールカメラで氾濫する都市の光を抽象的に表現しました。

 今回展示する「Nights,Walking:Chigasaki」は都市中心部を離れ、神奈川県の湘南・茅ヶ崎の夜を撮影したシリーズです。住宅の窓からもれる生活の明かりと路上を照らす街灯によって露光された風景は、私たちが見慣れた普遍的な光景です。

 石田はこのシリーズついて「電気の明かりがつくり出す風景をテーマにした作品群の一つ」と位置づけています。都市部を照らす光の多くは商業的な目的のために消費されていますが、住宅地の光は1人ひとりの生活により密着したものだと言えます。石田の視点は都市から郊外へ移動することで、私たちの生活の中で電力が持つ意味をあらためて問いかけていると言えるでしょう。

 また、「Nights,Walking:Chigasaki」は別の角度から「読む」ことができます。夜の闇によって情報が間引きされた写真は、建築物や街の造成といったフォルムを強調します。画面から読み取れるのは、この国が戦後、アメリカの郊外文化から受けてきた影響です。

 石田はこの作品をつくるにあたり、アメリカの写真家、ロバート・アダムスの『Summer Nights, Walking』を参照しています。アメリカ写真の伝統を担う巨匠の作品を下敷きにすることで、アメリカの住宅文化を採り入れ「日本化」した風景をアイロニカルに表現したと言えるでしょう。

 「写真の伝統」という観点で言ええば、今回、石田は中判フィルムカメラを使い、バライタ銀塩プリントによる展示を行います。石田はデビュー作以来、デジタルカメラを使ってきました。前作の「Integral」では中判ピンホールカメラで撮影していますが、フィルムをスキャニングしデジタルプリントとして仕上げるというハイブリッドでした。今回はインプットからアウトプットまですべてを銀塩写真の技法で行っています。「Nights,Walking:Chigasaki」には写真の歴史を引き継ぎつつ、現代の日本を照らし出すという作者に意図が込められているのです。

 

タカザワケンジ(写真評論家・IG Photo Galleryディレクター)

 

http://blog.livedoor.jp/shashinkosha/archives/55839555.html

 

 

会場:ギャラリー・アートグラフ

東京都千代田区東松下町17 写真弘社 神田店モノクロ館内2FJR神田駅下車 徒歩5

開催期間:77()89()

開廊時間:10:0017:00

休廊日:日曜日、祝日、隔週土曜日

716日、717日、718日、724日、730日、731日、86日、87日)

2022年6月10日金曜日

鈴鹿芳康先生の個展開催のお知らせ。「世界平和の祈り」清水寺(京都)

 本学名誉教授の鈴鹿芳康先生の個展「世界平和の祈り」が清水寺 経堂にて開催されます。ぜひご覧ください。



(以下、展覧会フライヤーより)


「合掌」に表現される「祈り」は世界平和であり、

家族愛であり、人類愛であり、生かされていることへの感謝でもある。

世界平和を祈る【心】に於いて人類は一つである。

《祈りのカタチ》は世界平和への祈りであり万物への感謝のカタチでもある。

 

 

会場:清水寺 経堂

京都府京都市東山区清水1丁目294/京都市バス 「清水道」「五条坂」下車 徒歩10

開催期間:616()621()

開館時間:12:0017:00

休館日:無休

中山博喜先生 展覧会開催のお知らせ。八坂茶閑開廊記念「PASS」展 八坂茶閑(京都)

 卒業制作スクーリングをご担当いただいていた中山博喜先生が参加する展覧会が八坂茶閑で開催されます。ぜひご覧ください。



(以下、展覧会DMより) 


建仁寺門前に「八坂茶閑」は誕生しました。偶然にも幼少から憧れていたその邸宅は祇園・六波羅蜜寺を拠点としており、この度の作家の方々は、私が日本画を志す頃からのご縁と繋がります。そしてこのご縁のバトンはさらに渡され、広がり、結ばれて行くでしょう。真摯に向き合う作品に出会い、平穏なる心のひとときが八坂の塔を見上げる空の下、境なく世界へと広がる事を拙に願います。皆様にもそのパッセンジャーとなっていただければと思っております。


長谷川


■出展作家

長谷川雅也(日本画)

竹内浩一(日本画)、永楽善五郎(陶器)

奥村美香(日本画)、中山博喜(写真)

 

会場:八坂茶閑(ヤサカサカン)

京都府京都市東山区大和大路通四条下る4丁目東入小松町565番地6/京阪電車 祇園四条駅下車 徒歩7

開催期間:621()74()

開廊時間:10:0018:00(最終日〜17:00

休廊日:無休

2022年6月9日木曜日

2019年度卒業生の山本美里さん個展開催のお知らせ。『透明人間-Invisible Mom-』『#BFF -Best Friend Forever-』府中市美術館 市民ギャラリー(東京)

2019年度卒業生の山本美里さんが、府中市美術館 市民ギャラリーにて個展『透明人間-Invisible Mom-』『#BFF -Best Friend Forever-』を開催中です。ぜひご覧ください。

山本美里写真展

『透明人間-Invisible Mom-』『#BFF -Best Friend Forever-』


会期:2022年6月8日(水)〜6月12日(日) 11:00〜17:00 最終日は16:00まで
会場:府中市美術館 市民ギャラリー
〒183-0001 東京都府中市浅間町1丁目3番地
https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/goriyou/riyou/shiminyotei.html



2022年6月7日火曜日

2015年度卒業生の渡邉真弓さん 写真展開催のお知らせ。「そこに ある」富士フイルムイメージングプラザ東京ギャラリー(東京)/ 富士フイルムイメージングプラザ大阪ギャラリー(大阪)

 2015年度卒業生の渡邉真弓さんの写真展が富士フイルムイメージングプラザの2会場で開催されます。ぜひご覧ください。






「そこに ある」
■東京
会場:富士フイルムイメージングプラザ東京 ギャラリー
東京都千代田区丸の内2-1-1 丸の内 MY PLAZA 3階/JR「東京駅」「有楽町駅」より徒歩5分
開催期間:7月20日(水)〜8月15日(月)
開館時間:10:00〜18:00(最終日は14:00まで)
休館日:火曜日

■大阪
会場:富士フイルムイメージングプラザ大阪 ギャラリー
大阪府大阪市中央区難波2-2-3 御堂筋グランドビル2階/大阪メトロ御堂筋線・千日前線「なんば駅」下車 地下通路24番出口直結
開催期間:8月31日(水)〜9月26日(月)
開館時間:10:00〜18:00(最終日は14:00まで)
休館日:火曜日


2022年6月5日日曜日

2017年度卒業生の桃井卓男さん 写真展開催のお知らせ。「大阪都市景」奈良市写真美術館(奈良)

2017年度卒業生の桃井卓男さんの個展が奈良市写真美術館(一般展示室)で開催されます。ぜひご覧ください。



会場:入江泰吉記念 奈良市写真美術館(一般展示室)

奈良市高畑町600-1/奈良交通 破石町バス停下車 徒歩8

開催期間:720()724()

開館時間:10:0016:30(但し、初日は1300から 最終日は1530まで)

http://irietaikichi.jp/rental/schedule/

 

2022年4月26日火曜日

タカザワケンジ先生 個展開催のお知らせ。「someone's watching me」IG Photo Gallery(東京)

「写真批評」「卒業制作」のスクーリングなどをご担当いただいている写真評論家のタカザワケンジ先生の個展「someone's watching me」がIG Photo Galleryで開催されます。5月14日にはタカザワ先生によるレクチャー「写真史における『路上の顔』」がYouTubeにて配信されます。ぜひご覧ください。 



(以下、ギャラリーWebサイトより)

 

 「someone's watching me」(1978年)というタイトルは、アメリカの映画監督ジョン・カーペンターの初期作品から採っています。『姿なき脅迫』という邦題で知られるこの作品は、独り暮らしの女性が何者かによって付け狙われるというサスペンスです。犯人は望遠レンズで彼女の私生活をのぞき見し、時に自身の存在を誇示することで彼女を恐怖に陥れます。女性はテレビ局に務め、本来なら世界を「見る/見せる」側に身を置いています。しかし、映像技術の発展を象徴する(そして「見たい」という欲望の象徴でもある)望遠レンズによって「見られる」恐怖を味わうのです。

 写真はその性質上、人間を「見る側」と「見られる側」に分けてしまいます。路上で撮影された写真に自分が写ってしまうことに抵抗を感じるのも、一方的に「見られる側」にされてしまう怒りがあるからでしょう。

 しかも、写真や映像が手軽にSNSでシェアされる現代において、「顔」が撮影されることに不安を覚える人が増えています。「顔」は個人情報であり、写真に写ったことで不利益をこうむるかも知れないからです。

 では、路上の「顔」は、どこまで抽象化されれば個人情報から離れることができるのでしょうか。

 「someone's watching me」は路上で撮影した写真から道行く人の顔を切り出した作品です。具体的には、1/61/15ほどのスローシャッターで都市風景を撮影し、パソコンの液晶モニター上で道行く人の顔を拡大し、スマートフォンで撮影します。そして、Instagramhttps://www.instagram.com/kenji_takazawa/)にアップロードした結果がこれらの画像データです。

 どの写真も人間の顔であることは認識できますが、個人を特定するには至らないでしょう。SNSに投稿されたとしても肖像権を侵害することのない写真です。しかしカメラは現実を描写しているため、1枚1枚にはたしかに具体的に「顔」が写っています。彼らは実在するのです。

 タカザワケンジは写真評論、写真家へのインタビューなどと平行して、自身も作品を発表してきました。その動機は写真にまつわる疑問について考えたいというものです。「someone's watching me」は長い歴史を持つストリートスナップが、時代の変化とともに変わりつつあることを踏まえ、路上の「顔」の行方について考えようとした作品です。

 なお、今回の作品は昨年12月にPhoto Gallery Flow Nagoya(名古屋)で開かれた同名展覧会の巡回となります。内容を一部差し替え・拡充して展示する予定です。ぜひ、ご高覧ください。


https://www.igpg.jp/exhibition/takazawa2022.html



会場:IG Photo Gallery(東京)

東京都中央区銀座三丁目1317号 辰中ビル3

開催期間:510日(火)〜528日(土)

開廊時間:11:0019:00

休廊日:日曜日、祝日

 

 

・レクチャー(無観客)

タカザワケンジ「写真史における『路上の顔』」

514日(土)18:00~

You Tubeにて、配信いたします。

チャンネル名:IG Photo Gallery