2024年9月17日火曜日

2020年度卒業生の岡崎稔さん個展「街と鴉 SANO ASHIKAGA TOCHIGI」のお知らせ(東京)

 2019年度卒業生の岡崎稔さん個展「街と鴉 SANO ASHIKAGA TOCHIGI」がIG Photo Galleryにて開催されます。ぜひご覧ください。





 

(以下、ギャラリーサイトより)




 IG Photo Galleryでは2024年9月10日(火)より、岡崎稔展「街と鴉 SANO ASHIKAGA TOCHIGI」を開催いたします。
 岡崎稔は栃木県佐野市生まれ。市役所勤務を経て2020年に京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)通信写真コースを卒業しました。卒業制作の「五百羅漢像」は、日本三大五百羅漢像の一つと言われる、栃木県足利市徳蔵寺に安置されている五百羅漢像 を1体ずつ撮影し再構成した作品でした。写真による貴重な文化財の記録であり、写真にすることで信仰の対象である聖なる像を細部までつぶさに観察することを可能にしました。
 岡崎はその後、佐野市とその周辺の街の撮影をスタートしました。被写体となっているのはかつての賑わいの記憶を宿した建築物と街並みです。
 この国の地方の多くは、高度経済成長期を経てクルマを中心とした生活に移行し、郊外のショッピングモールが商業の中心となっています。街の中心部は再開発の波にさらされ、過去のにぎわいを象徴する建築物が、一つまた一つと消えていきます。
 岡崎は佐野市と足利市、栃木市に遺された建築物とその風景を写真にすることで、過去の街の姿へと私たちの想像力を導きます。その姿勢は20世紀初頭に失われつつあった19世紀のパリを写真に残そうとしたウジューヌ・アジェを彷彿とさせます。
 むろん、21世紀に撮影された岡崎の写真は、色情報を含めて現実を大胆に切り取ったカラー写真です。街と建築をデザインした先人たちの美的センスを再解釈し、現代に蘇らせる──それが岡崎の狙いです。写真になることでその光景は時間を超え、のちの世に遺されます。
 今回の展示のもう一つの要素となるのが「鴉(カラス)」です。鴉はこの作品に街を見るもう一つの視点を与えています。
 人間ならざる存在にとってこの街はどのように見えるでしょうか?
 岡崎は人間中心につくられた街と対になる存在としてカラスをとらえています。鴉たちは人間の営みを見下ろし、隙あらばあがりをかすめ取ろうとする抜け目ない視線を人間社会に送っています。
 地に足をつけた人間の視線による街の写真と、街を睥睨する鴉の姿(を見る人間)。複数の視線が交錯することでこの国の地方都市の過去と現在が浮かび上がってきます。ぜひ、展覧会場で作品をご覧ください。

タカザワケンジ(写真評論家・IG Photo Galleryディレクター)


** 安心してご覧いただくため、空気清浄機、手指の消毒薬の設置などの感染対策を行います。


■作家プロフィール
岡崎稔 Okazaki Minoru
栃木県佐野市生まれ。2020年、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)通信写真コース卒業。個展:「五百羅漢像写真展」(サンルート佐野、栃木、2022)「SANO ASHIKAGA 街の記録」(佐野市城山記念館、栃木、2024)ほか。


■会期
2024年9月10日(火)~28日(土)
時間:11:00~18:30
休廊:日曜日・月曜日・祝日


■トークセッション(録画配信)
9/14(土)18:00より録画配信予定
岡崎稔×タカザワケンジ(写真評論家・IG Photo Galleryディレクター)
YouTubeにて、配信します。
チャンネル名:IG Photo Gallery
▼これまでのトークセッションの録画。

■展示詳細ページ

2024年9月11日水曜日

2024年秋季の藝術学舎講座ご案内-写真家・植田正治の世界観にふれてみよう【「Ueda-cho」の作り方(弓ヶ浜、島根半島編)】-

秋季藝術学舎講座の訪問講座の中から-写真家・植田正治の世界観にふれてみよう【「Ueda-cho」の作り方(弓ヶ浜、島根半島編)】-の申し込み受付が始まりましので、ご案内させていただきます。申し込み締切日は11/06(水) 13:00です。講師は本学の中山博喜先生と河田憲政先生、講座1日目には特別ゲストに植田正治の三男の植田亨先生をお招きして、生家にて撮影秘話などをお話しいただく予定です。今年は弓ヶ浜や島根半島の美保神社を訪れて撮影を行います。興味のある方はぜひお申し込みください。



 

この講座についての詳細は以下のURLをご確認ください。

https://air-u.kyoto-art.ac.jp/gakusha/learning/G2434409


 

以下講座ページより抜粋

Ueda-cho」にふれながら、自己の制作についての理解をより深めましょう。数々の前衛的な演出写真を生み出してきた植田正治の作風は「Ueda-cho」と呼ばれ、世界的にもその魅力が高く評価されています。本講座では植田正治写真美術館でのレクチャーなどを通してその創作活動にふれ、今回は「パパとママと子供たち」「少女四態」など代表的な作品の舞台となった弓ヶ浜と植田が撮影した頃の街並みが今も残る島根半島を巡り、作家の意図を汲みながら撮影を行います。 

2024年秋季の藝術学舎講座ご案内-マインドマップから想像と創造【私の被写体の見つけ方:写真表現へ(遠隔 + 対面)】-

秋季藝術学舎講座の中から写真関連の講座-マインドマップから想像と創造【私の被写体の見つけ方:写真表現へ(遠隔 + 対面)】-の申し込み受付が始まりましので、ご案内させていただきます。講師は写真家の越中正人先生です。申し込み締切日は09/27(金) 13:00となっております。興味のある方はぜひお申し込みください。


この講座についての詳細は以下のURLをご確認ください。

https://air-u.kyoto-art.ac.jp/gakusha/learning/G2431419

 

以下講座ページより抜粋

アーティストの写真作品を見ると、見慣れたものも見違える姿で写し出されていることに驚かされます。それは見ているそのままを撮影したのではなく、自らの発想を写真に投影させ撮影しているからでしょう。本講座では身近なものからどれだけのことを発想できるか、その発想のマインドマップを作成します。マインドマップとは何か1つのことを発端に考え続けているうちに浮かび上がったキーワードなどを自由にメモし、そのメモを通して様々な方向に広がった発想を整理する方法と言われています。その作成したマインドマップから新たな作品を制作します。本講座は遠隔授業と対面授業を交互で実施し、遠隔授業では自身の家の中のものをモチーフにして発想し制作します。対面授業では実際のアーティストの写真作品を真似て制作しながら、そのアーティストの発想の軌跡を辿ります。また支給されたモチーフから自分の発想を導き出し、投影させて私だけの写真表現に挑みます。