2022年4月26日火曜日

タカザワケンジ先生 個展開催のお知らせ。「someone's watching me」IG Photo Gallery(東京)

「写真批評」「卒業制作」のスクーリングなどをご担当いただいている写真評論家のタカザワケンジ先生の個展「someone's watching me」がIG Photo Galleryで開催されます。5月14日にはタカザワ先生によるレクチャー「写真史における『路上の顔』」がYouTubeにて配信されます。ぜひご覧ください。 



(以下、ギャラリーWebサイトより)

 

 「someone's watching me」(1978年)というタイトルは、アメリカの映画監督ジョン・カーペンターの初期作品から採っています。『姿なき脅迫』という邦題で知られるこの作品は、独り暮らしの女性が何者かによって付け狙われるというサスペンスです。犯人は望遠レンズで彼女の私生活をのぞき見し、時に自身の存在を誇示することで彼女を恐怖に陥れます。女性はテレビ局に務め、本来なら世界を「見る/見せる」側に身を置いています。しかし、映像技術の発展を象徴する(そして「見たい」という欲望の象徴でもある)望遠レンズによって「見られる」恐怖を味わうのです。

 写真はその性質上、人間を「見る側」と「見られる側」に分けてしまいます。路上で撮影された写真に自分が写ってしまうことに抵抗を感じるのも、一方的に「見られる側」にされてしまう怒りがあるからでしょう。

 しかも、写真や映像が手軽にSNSでシェアされる現代において、「顔」が撮影されることに不安を覚える人が増えています。「顔」は個人情報であり、写真に写ったことで不利益をこうむるかも知れないからです。

 では、路上の「顔」は、どこまで抽象化されれば個人情報から離れることができるのでしょうか。

 「someone's watching me」は路上で撮影した写真から道行く人の顔を切り出した作品です。具体的には、1/61/15ほどのスローシャッターで都市風景を撮影し、パソコンの液晶モニター上で道行く人の顔を拡大し、スマートフォンで撮影します。そして、Instagramhttps://www.instagram.com/kenji_takazawa/)にアップロードした結果がこれらの画像データです。

 どの写真も人間の顔であることは認識できますが、個人を特定するには至らないでしょう。SNSに投稿されたとしても肖像権を侵害することのない写真です。しかしカメラは現実を描写しているため、1枚1枚にはたしかに具体的に「顔」が写っています。彼らは実在するのです。

 タカザワケンジは写真評論、写真家へのインタビューなどと平行して、自身も作品を発表してきました。その動機は写真にまつわる疑問について考えたいというものです。「someone's watching me」は長い歴史を持つストリートスナップが、時代の変化とともに変わりつつあることを踏まえ、路上の「顔」の行方について考えようとした作品です。

 なお、今回の作品は昨年12月にPhoto Gallery Flow Nagoya(名古屋)で開かれた同名展覧会の巡回となります。内容を一部差し替え・拡充して展示する予定です。ぜひ、ご高覧ください。


https://www.igpg.jp/exhibition/takazawa2022.html



会場:IG Photo Gallery(東京)

東京都中央区銀座三丁目1317号 辰中ビル3

開催期間:510日(火)〜528日(土)

開廊時間:11:0019:00

休廊日:日曜日、祝日

 

 

・レクチャー(無観客)

タカザワケンジ「写真史における『路上の顔』」

514日(土)18:00~

You Tubeにて、配信いたします。

チャンネル名:IG Photo Gallery




2022年4月25日月曜日

西川善康先生 個展開催のお知らせ。「マチノニワ」gallery 176(大阪)

 写真Ⅴ-6(デジタルフォト2)や写真演習Ⅰ-2(絞りとシャッタ)、写真演習Ⅱ-1(テーマ制作)などをご担当いただいている西川善康先生の個展がgallery 176で開催されます。西川先生はgallery 176の運営メンバーでもあります。ぜひご覧ください。




(以下、ギャラリーWebサイトより)

 「公園」は「public garden」を直訳したもので、明治初期にできた言葉と言われています。日本に最初の公園が出来たのも明治初期で、まだ150年足らずしか経っていません。元々が西欧文化である公園は、その後、日本人の文化、生活に馴染んでいったのでしょうか。「一般に開かれた庭園」である「公園」は、「街の庭」(マチノニワ)となっているのでしょうか。

 公園(都市公園)のうち、一番身近なものが「街区公園」(以前は児童公園と呼ばれていました)です。都市部であれば、徒歩圏内に一つ二つは街区公園があります。多くは、広場やベンチ、屋根付きの簡易休憩所、ブランコ、すべり台、砂場などの遊具があります。

 しかし、公園(街区公園)の使われ方は、場所や使う人によって様々です。ファミリー向けの集合住宅が多いところでは、就学前のお子さんを遊ばせているのを見かけますが、オフィス街では、サラリーマンやタクシードライバーの休憩所、喫煙所となっています。幹線道路沿いなど、平日の日中は人が全くいない公園もあります。

 今回の写真展では、都市部の構造物(建築物、高架道路)の中に溶け込む、あるいは埋没している公園を写し取り、公園が日本人にとって「マチノニワ」(街の庭)となってるのか考察していきたいと思います。

https://176.photos/exhibitions/220506/

会場:gallery 176(ギャラリー イナロク)

大阪府豊中市服部元町1-6-1/阪急宝塚線 服部天神駅下車 徒歩1

開催期間:56()517()

開廊時間:13:0019:00休廊日:5月11日(水)、12日(木)

2022年4月14日木曜日

中山博喜先生 個展開催のお知らせ。「水を招く」堺町画廊(京都)

卒業制作スクーリングをご担当いただいていた中山博喜先生の個展が堺町画廊で開催されます。また513日には、トークイベントも行われます。

昨年別会場で行われた同展覧会を見逃したという方もぜひご覧ください。


(以下、画廊Webサイトより)

 

2001年からペシャワール会の現地ワーカーとして中村哲さんとともに働いた写真家中山博喜さん(京都芸術大学教授)が、作業の合間を縫って中村さんや現地の人びとの日常を撮影した写真を展示します。

 


会場:堺町画廊

京都府京都市中京区堺町通御池下ル/京都市営地下鉄烏丸線 烏丸御池駅下車 徒歩5

開催期間:57()515()

開廊時間:12:0019:00

休廊日:月曜日

http://sakaimachi-garow.com/blog/?page_id=19

 

■ギャラリートーク

513()19:0020:30

参加費:1,000

要予約 30

information@sakaimachi-garow.com

2019年度卒業生のフタガワミチエさん 個展開催のお知らせ。「あとのあとは 後の後であり 後の跡でもあり 後の痕でもある」GOOD NATURE STATION 4F GALLERY(京都)

 2019年度卒業生のフタガワミチエさんの個展がGOOD NATURE STATION 4F GALLERYで開催されます。ぜひご覧ください。



(以下、KG+ Webサイトより)

かつて大規模な地震や火山活動があった場所に立ち、時間の経過に目を凝らし耳を澄ます。その土地をゆっくりと歩きながら長い時間の経過が覆い隠そうとする痕跡を拾い集める。地球上にはこの様な特徴を持つ地域がいくつか存在するが、日本列島もその地学的成り立ちから地殻変動が集中する場所のひとつである。私はいつかまた来る未来の為、今は静寂を保っている「あとのあと」を丹念に掬い取り、その痕跡を可視化する事を試みる。

会場:GOOD NATURE STATION 4F GALLERY

京都府京都市下京区稲荷町3186/阪急京都線 京都河原町駅下車 徒歩2

開催期間:41()426()

開館時間:10:0019:00

休館日:無

https://www.kyotographie.jp/kgplus/exhibitions/2022/michie-futagawa/

2022年4月4日月曜日

2020年度卒業生の飯田夏生実さん 展覧会開催のお知らせ。「in the picture」/「in the picture: side-B」KG+2022(京都)

2020年度卒業生の飯田夏生実さんの写真展がKG+20222会場で開催されます。

ぜひご覧ください。 



(以下、KG+ Webサイトより)


私は、子育て後の「空の巣症候群」に苦しんだ4年間を通じて、母と子の関係性、そして母親という存在のありようの不可思議さを真摯に見つめ直すことになった。セルフポートレートをその手段とし、日々撮り続けた行為が与えたものはきわめて大きかった。

写真を撮る、そして写真の中の自分を見ることは、苦悩の最中にいる自身を支える力となり、より冷静に苦悩の在りどころを見つめることを可能にした。さらに、写真を撮ることで社会とのつながりを保持しつつ、より開かれた回路へと修復するだろうとの予感をもたらす。同時に、セルフポートレートの概念を私なりに拡張する試みとなった。

これまで取り上げられることの少なかった老年期に入ろうとする女性のライフステージ転換期をどうしたら、否定することなく、さらに自らを歪めずに生き延びられるのかという模索の日々の記録でもあり、それは日常を生きることは静かな戦いが続くことだと教えるのである。


「in the picture」

会場:万蔵ビル2階 Makura

京都府京都市中京区新町通錦小路上る百足屋町374 2階/京都市営地下鉄烏丸線 四条駅、阪急京都線 烏丸駅下車 徒歩5分

開催期間:4月8日(金)〜5月8日(日)

開館時間:10:30〜18:00

休館日:4月12日(火)、4月19日(火)、4月26日(火)

https://www.kyotographie.jp/kgplus/exhibitions/2022/naomi-iida-2/



「in the picture: side-B」

会場:京都駅ビル7階 東広場北ピロティ

京都府京都市下京区東塩小路町901 京都駅ビル 7階/JR京都駅中央改札口すぐ

開催期間:4月11日(月)〜5月8日(日)

開館時間:10:00〜20:00

休館日:無

https://www.kyotographie.jp/kgplus/exhibitions/2022/naomi-iida/

2022年4月1日金曜日

2016年度卒業生の石田省三郎さん 個展開催のお知らせ。「Nights,Walking:Chigasaki」IG Photo Gallery(東京)

 2016年度卒業生の石田省三郎さんの個展がIG Photo Galleryで開催されます。

そして4月9日には、写真批評及び卒業制作スクーリングをご担当されているタカザワケンジ先生とのトークセッションがYouTubeにて配信されます。

ぜひご覧ください。



(以下、ギャラリーWebサイトより)

石田省三郎は2018年に写真集『Radiation Buscape』を発表し、写真作家としての活動を開始しました。以来、自らが主宰するIG Photo Galleryを中心に、コンスタントに作品を発表しています。

 石田の作品には最初の作品である『Radiation Buscape』から一貫して、人間の暮らしを支えるインフラストラクチャーへの関心があります。『Radiation Buscape』は東日本大震災によって帰宅困難区域となった地域を走るバスの車窓から、風景を撮影した作品です。原子力発電所の事故による深刻な影響は、人の住む場所を奪いました。しかしその一方で、社会活動を続けるためにバスは走り続ける。窓外の風景も時が止まったわけではなく、植物が成長し、建物は朽ちていく。私たちの社会のもろさと、それでもなお動き続ける世界のあり方を見つめた作品だと言えるでしょう。

 原発が抱える電力と人間というテーマは、2019年に発表された「Crossing Ray」にも引き継がれます。夜の都市の交差点を比較暗合成したこの作品は、繁栄の象徴とも言える都市の光を剥ぎ取り、都市の骨格を浮かび上がらせました。2021年の「Integral」では再び都市と電力の関係を主題とし、ピンホールカメラで氾濫する都市の光を抽象的に表現しました。

 今回展示する「Nights,Walking:Chigasaki」は都市中心部を離れ、神奈川県の湘南・茅ヶ崎の夜を撮影したシリーズです。住宅の窓からもれる生活の明かりと路上を照らす街灯によって露光された風景は、私たちが見慣れた普遍的な光景です。

 石田はこのシリーズついて「電気の明かりがつくり出す風景をテーマにした作品群の一つ」と位置づけています。都市部を照らす光の多くは商業的な目的のために消費されていますが、住宅地の光は1人ひとりの生活により密着したものだと言えます。石田の視点は都市から郊外へ移動することで、私たちの生活の中で電力が持つ意味をあらためて問いかけていると言えるでしょう。

 また、「Nights,Walking:Chigasaki」は別の角度から「読む」ことができます。夜の闇によって情報が間引きされた写真は、建築物や街の造成といったフォルムを強調します。画面から読み取れるのは、この国が戦後、アメリカの郊外文化から受けてきた影響です。

 石田はこの作品をつくるにあたり、アメリカの写真家、ロバート・アダムスの『Summer Nights, Walking』を参照しています。アメリカ写真の伝統を担う巨匠の作品を下敷きにすることで、アメリカの住宅文化を採り入れ「日本化」した風景をアイロニカルに表現したと言えるでしょう。

 「写真の伝統」という観点で言ええば、今回、石田は中判フィルムカメラを使い、バライタ銀塩プリントによる展示を行います。石田はデビュー作以来、デジタルカメラを使ってきました。前作の「Integral」では中判ピンホールカメラで撮影していますが、フィルムをスキャニングしデジタルプリントとして仕上げるというハイブリッドでした。今回はインプットからアウトプットまですべてを銀塩写真の技法で行っています。「Nights,Walking:Chigasaki」には写真の歴史を引き継ぎつつ、現代の日本を照らし出すという作者に意図が込められているのです。

タカザワケンジ(写真評論家・IG Photo Galleryディレクター)

https://www.igpg.jp/exhibition/ishida2022.html


会場:IG Photo Gallery

東京都中央区銀座三丁目1317号 辰中ビル3階/東京メトロ日比谷線、都営浅草線 東銀座駅下車

開催期間:45()430()

開廊時間:11:0019:00

休廊日:日曜日、祝日(429)

 

■トークセッション(無観客)

49()18:00

石田省三郎×タカザワケンジ(写真評論家、IG Photo Galleryディレクター)

You Tubeにて、配信いたします。

チャンネル名:IG Photo Gallery

2017年度卒業生のイシダマイさん個展開催のお知らせ。「gauge(2020-2021)」Alt_Medium(東京)

2017年度卒業生のイシダマイさんの個展「gauge(2020-2021)」が4月22日より新宿のAlt_Mediumにて開催されます。ぜひご覧ください。

イシダ マイ
gauge(2020-2021)

会期: 2022年4月22日(金)~5月4日(水)
open 12:00 -close 20:00 *最終日は17:00まで。
4月28日(木)は休廊

会場:Alt_Medium
〒161-0033 東京都新宿区下落合2-6-3 堀内会館1F
TEL:03-5996-8350

プリント協力:キヤノン株式会社

https://onl.la/BANkDsN