2016年度卒業生の石田省三郎さんが写真集を発売されました。編集・解説には「写真批評」「卒業制作」のスクーリングや藝術学舎の講座をご担当頂いている写真評論家のタカザワケンジ先生が携わっていらっしゃいます。ぜひ書店等でご覧ください。
石田省三郎写真集「Radiation Buscape」
2018年3月11日発売
"見えないものに影響された風景の記録。”
福島。未来の検証材料としての写真
『Radiation Buscape』もまた石田が個人として東日本大震災と福島第一原発事故に対して取ったリアクションだと考えることができる。ジャーナリストのように一般人が入れない場所に踏み込んで報告するのではなく、誰もが等しく目にできるものをあえて写真で示すことで、検討の材料にする。あるいは、そこから目に見えないものまでを想像してもらう。私はこれらの写真群をそのようなものとして見た。
『Radiation Buscape』のページをめくってみる。帰還困難区域という前提を取っ払えば、ここには静かな田舎の風景が広がっている。廃屋も、伸び放題の雑草も、過疎化が進むこの国では珍しい光景ではない。そもそも原子力発電所がどのような場所につくられてきたかを思えば、写真のなかの風景は特殊なものでもなんでもない、この国の典型的な風景の1つなのである。 ──タカザワケンジ(「解説」より)
ブックデザイン:鈴木一誌、山川昌悟
編集:タカザワケンジ
文:タカザワケンジ、石田省三郎
英訳:ハート・ララビー
協力:写々者
製版・印刷:光陽社
発行:IG Photo Gallery
価格:3,000円+消費税